神とともに

カトリック平塚教会報 第89号 2010年 12月 24日発行

平塚教会主任司祭 トーマス・テハン

クリスマスおめでとうございます。降誕節第二の叙唱にこう書いてあります。「聖なる父、全能永遠の神、御子イエスの降誕を喜び祝い、心から感謝の祈りをささげます。永遠のみことばが人となって世に来られ、神のひとり子が歴史の中にお生まれになりました。キリストは倒れていた世界を立ち上がらせて、すべてのものを新たにし、暗闇にさまよう民をあなたのもとに呼び集められます。すべての天使とともに私たちも喜びの声を合わせ、あなたをたたえて歌います」
私にとって、この叙唱の言葉はクリスマスの纏めの一つです。さらに、私たちはイエスの降誕を喜び祝うためにどうすれば良いでしょうか?

2010年を振り返ってみて、色々なヒントが浮かんできます。たとえば、2010年10月24日に大磯教会は創立60周年を祝いました。ご存じのように大磯教会は司祭が住んでいない教会ですが、信徒の希望で創立60周年を祝おうと決めました。2年前から、準備委員会は60年の歩みについて本を書く計画を立てました。今年の10月上旬に素晴らしい本が出来上がりました。私は、「松籟に聴く」と名付けられた本を、創立60周年ミサの奉納の時、祭壇の前に置きました。私は心の中でこう思いました。「神よ、あなたは万物の造り主、ここに供える本はあなたから頂いた物、大地の恵み、労働の実り、私たちの命の支えとなる物です」
大磯教会の歩みは大切だと思います。現在もその活動の中に祝いが続いていると思います。
60周年のミサの時、子ども会は手話で聖歌を歌いました。奉納の時、彼らはダンボールで作った教会や描いた絵と植樹のためのレモンの木を、祭壇まで持って来ました。青年たちも11月に予定しているコンサートの小さい看板を奉納しました。奉納のときに、ハワイアンバンドの演奏をとの要望がありましたが、ハワイアンバンドの人たちは最初は断りました。それは、ミサ後のパーティーで演奏するつもりだったからです。しかし、演奏を奉納として捧げる事と考え直し、喜んで参加しました。その結果ミサもパーティーも、祝いの関係が表れてきました。ミサとパーティーは別に考えるよりも、同じ生活の上にあります。
パーティーのために食事を外注し、来客も信徒もゆっくり食事をして、喜びの内に過ごしました。本当に楽しく、良い時間を皆で分かち合いました。会場として、教会の庭は適切でした。皆はリラックスして、沢山の人に出会うことができました。
梅村司教様も、喜びに満ちあふれた顔で、最後に感謝の言葉の中でこう言われました。「ミサの間、祈りの精神を良く感じました」。私は、この言葉は、最高のほめ言葉だと解釈しました。

平塚教会も、今年受けた恵みは多かったと思います。平塚教会では6月6日に第6地区の「交わりのミサ」が、10月30日には合同堅信式が行われました。この2つの行事の準備は簡単ではありませんでした。しかし色々な方の協力を得て、「交わりのミサ」の当日は、第6地区の役員の方よりも大勢の信徒が参加しました。
堅信の準備は、秦野市の施設で一泊の練成会を行い、大人5名と中高生7名が参加しました。ともに生活し、皆で食事を準備しました。エクササイズを通して、経験した事を分かち合い、楽しい時間を過ごしました。初めての経験で、皆がリラックスするまでには時間がかかりましたが、大人の方たちは、若い人から多くの事を学びました。
もう一つの例をあげれば、バザーでした。その日の朝は台風の影響で大雨でした。私はバザーができないのではないかと思いました。しかし大雨の中でテントを張っている人たちの姿を見た時には、驚きました。そして、開始時間には雨が止み、皆リラックスしてバザーを楽しむ事ができました。この事は素晴らしい体験であったと思います。

これら挙げた例を考えると、苦しみを乗り越える事と、リラックスしている事には共通点があると思います。
イエスの降誕とは、このような事であると思います。天使たちは喜びの歌を歌いました。私たちもリラックスし、神が共に居られる意識を持ち、降誕祭を祝いましょう。

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