クリスマスのヒント

特集 クリスマスの馬小屋

1. はじめての馬小屋

平塚教会 聖堂内の馬小屋

クリスマスが近づくと、教会や家庭ではミニチュアの馬小屋を飾ります。この習慣は、アシジの聖フランシスコが始めたといわれています。
1223年の12月初め、聖フランシスコはイタリアの小さな村グレッチョ(ローマとアッシジの間にある山村)に滞在していました。聖フランシスコは、イエス様が貧しさの中でお生まれになったシーンを再現することによって、神様にどれほど愛されているかを村人に知ってほしいと考えました。
聖フランシスコは、まずグレッチョ村の村長に、人間の赤ちゃんと同じくらいの大きさの木彫りの人形を作るように頼みました。それからグレッチョの岩山の上に洞窟を見つけ、そこに飼い葉桶や枯れ草などを用意して準備を整えました。
クリスマス・イブの夜10時、聖フランシスコの呼びかけで村中の人々が教会の前に集まりました。村人たちは手に手に松明を持ち、ミサのためのパンとブドウ酒などを携えて、洞窟に向かって約1時間の道のりを歩き始めました。少し前まで降っていた雪は止み、美しい月と星が現れました。行列が洞窟の前に達すると、聖フランシスコは皆の見ている前で、枯れ草に満たされた飼い葉桶に幼子イエスの人形を横たえました。それから飼い葉桶の上に祭壇が設けられ、洞窟の中には、近くに住む農夫たちが連れて来た牛や馬、神父様が乗ってきたロバがつながれました。
ミサが始まり、聖フランシスコが福音を朗読すると、そこにいた人々は皆、1200年前の最初のクリスマスに立ち会っているような、喜びと感動に満たされ、神の愛とクリスマスの意味を深く理解したのでした。
それから3年後に聖フランシスコは亡くなりましたが、グレッチョ村のクリスマスの話は人から人に広まり、やがてクリスマスには、全世界の教会や家庭で馬小屋が飾られるようになったのです。

『アシジの聖フランシスコ小品集』(聖母の騎士)より

秦野教会の馬小屋

藤沢教会の馬小屋

2. 絵本『馬小屋のクリスマス』

文 /アストリッド・リンドグレーン
絵 /ラーシュ・クリンティング
発行 /ラトルズ

「あるところにひとりのこどもがいました。こどもはおかあさんのひざの上で、『クリスマスのことおしえて』といいました。そこで、おかあさんは馬小屋のクリスマスのおはなしをはじめました。ずっとむかしのとおいくにのクリスマスのおはなしでしたが、その子にはすぐちかくの馬小屋でおきたことのように思えました。」
こんな書き出しで始まる、クリスマスの馬小屋の絵本をご紹介します。ずっと昔の冬の夜に、馬小屋の中でひとりの赤ちゃんが生まれた物語を、そこに居合わせた動物たちや羊飼いたちの目を通して描いた、静かな物語です。
そこには、「救い主」という言葉も、天使の歌声も登場しませんが、ひとりの赤ちゃんが生まれてくることの尊さとクリスマスの意味が、読む者に深く伝わってきます。信者のお子さんはもちろん、信者でないお子さんたちにクリスマスのことを伝えるのにもぴったりの絵本といえます。

著者のアストリッド・リンドグレーンは、2002年に95歳で亡くなったスウェーデンの女流児童文学作家で、『長くつ下のピッピ』や『やかまし村の子どもたち』などの著書で、世界中の人々に愛されています。スウェーデン政府は彼女を記念して、児童青少年文学賞である「アストリッド・リンドグレーン記念文学賞」を創設しています。
今年のクリスマスは、お子さんやお孫さんに、クリスマスの絵本を読んであげてはいかがでしょうか。

3. ローマの街角から

ご降誕の馬小屋を再現する飾り付けは、教会でも、家庭でも、今では広く行われていることですが、その始まりは…?あまり知られていないかもしれません。イタリアで聞いたことですが、フランシスコ会の修道士たちが始めた…ということでした。ローマには毎年、街のあちこち…ローマ・ターミナル構内、ローマ市の清掃局の一拠点…など、思いがけないところに大々的につくられ、多くの寄付金を備え付けのかごに入れていきます。


あるとき、一人の若いお母さんが、腕に赤ちゃんを抱いて、眺めていました。小さなランプが点滅して、みどりごイエス様が藁をふとんに、休んでいます。お母さんが指さしながら赤ちゃんにイエス様のことを話しているようでした。 それまで自分の親指をしゃぶっていた赤ちゃんが、可愛い口から指を出し「うーん、うん…」と言いながら、イエス様の方に伸ばしています。「あら、そう…そうなの」とお母さんがほほえんでから「イエス様にしゃぶらせてあげたいの、ね」といった言葉に周囲からの笑いのさざめきが起きました。 わたしたちはイエス様に何をプレゼントしましょうか?

パウロ会協力者通信より

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