いのちの言葉

特集イースター・エッグはいかが?

どうして卵を配るのか?

子どもの頃、復活祭というと、ミサ後にもらえるゆで卵が楽しみでした。でも、いったいなぜ復活祭に卵なのでしょうか。今号は、その由来を探る特集です。
『新カトリック大辞典』(研究社)で「復活祭」の項目を引いてみると、【習俗】という見出しに続いて以下のような記述があります。

「復活祭の飾りや贈り物として殻に彩色や模様を施した卵をイースター・エッグと呼ぶ。卵の形をしたチョコレートやキャンデーを指すこともある。また、庭や屋内に隠した卵を子どもが探す遊びもある。いずれも卵をいのちの象徴と考え、雛が卵を割って誕生することとキリストが墓から出て復活したことを関連づけた習慣である。また、繁殖力の強いウサギを復活や新しいいのちの象徴と考え、ウサギの形をした菓子や縫いぐるみを子どもに与える習慣や、ウサギがイースター・エッグを届けにくるという言い伝えもある」

この時期に卵を飾る習慣は、かなり古くから(キリスト教成立以前から)存在したようです。卵とウサギは、古来豊穣のシンボルで、ユダヤ教の過ぎ越しの正餐でも、塩水で味付けをした固ゆで卵が、命と信仰のシンボルとして食されています。
イースター・エッグの起源を語る物語も多く存在し、その中にはマグダラのマリアの話もあります。ローマ皇帝ティベリウスが、イエス・キリストの復活は赤い卵と同様ありえないと言ったため、マグダラのマリアがローマに赴いて、皇帝に赤く染めた鶏卵を献上し、キリストの十字架上での死と復活を伝えた。そこから、復活祭に赤く染めた卵を贈る習慣が始まったという言い伝えです。
赤く染められた卵は、キリストの血によって世界が救われることを表しているという説や、卵そのものが殻の内側に新しい生命を宿していることから、復活のシンボルと受け取られているという説もあります。
また、イースター・エッグの伝統は、四旬節の間のイースター・エッグ 節制(断食)が終わったことを祝うためだという説もあります。西方教会で卵は、肉類と同様に見られ、四旬節の間は食べることを禁じられていたし、東方教会では肉や魚とともに、大斎中は禁食の対象となっていたからです。
英語圏やドイツには、イースター・エッグを「イースター・バニー」と呼ばれるウサギが隠すという伝承があり、復活祭の朝には隠された卵を子どもたちが探すというお楽しみがあります。ちなみにご近所のカトリック二宮教会でも、教会の庭に隠した卵を子どもたちに探させていたそうです。
また、フランスやイタリアでは、イースター・エッグは教会の鐘が運んでくることになっているそうです。


平塚教会のイースター・エッグ

平塚教会のイースター・エッグは、どこから来るかご存知でしょうか。平塚教会のイースター・エッグは、毎年、行事部と教会学校や中高生会の子どもたちが協力して作っています。

まず、卵を450個購入し、大鍋で6回に分けてゆで上げます。大鍋にふきんを敷いて卵を並べ、その上にさらにふきんを敷いて卵を並べます。これを何回か繰り返して、鍋がいっぱいになったら水を入れてコンロにかけます。最初は強火で、沸騰したら中火にして15分ゆで、ひとつ取り出してゆで具合を確認します。とにかく大量の卵なので、失敗は許されません。全体に色を付ける場合は、食紅(赤・黄・緑)をボールの水に溶かし、鍋に加えますが、ここ1~2年は、彩色は行っていません。

ゆで上がった卵は、ひとつひとつザルに上げます。充分に温度が下がったら、今度は子どもたちの出番です。教会学校の子どもたちや父兄たち、それに中高生会の若者たちが、思い思いに卵に絵を描いたりシールを貼ったりします。
そして復活祭のミサ後、イースター・エッグでいっぱいのバスケットを持った若者たちや子どもたちが、教会の入り口で、復活祭を祝った方全員に卵を手渡します。

このイースター・エッグ作りは、毎年信徒全員に参加を呼びかけています。今年 (2010年) は、4月3日(土)の午後に予定していますので、ぜひ多くの方の参加をお待ちしています。

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