特集 平塚教会の年間報告
去る3月20日、カトリック平塚教会の年に一度の信徒集会が開かれました。集会では、2021年度の活動報告と2022年度の計画が発表されました。また、新しい教会委員会などのメンバーも発表されました。この特集では、信徒集会の内容を、かいつまんでお知らせします。まずは、志澤周一郎委員長のご挨拶から。
●手をとりあって
主のご復活おめでとうございます。
昨年、復活祭の教会報の中で、コロナの収束も見えずこの状況での交代は難しいと判断、もう1年委員長を務めさせていただいてから退任する意向を綴っておりました。しかし1年が経過した今、世界は相変わらずパンデミックの中にあり、委員長を引き受けてくださる方もおらず、神父様に退任の希望をお伝えしても届かずといったところで、再びもう1年委員長を継続することになりました。
しかしながら、コロナのおかげでといっては何ですが、この在任期間中はイベントなどの機会が激減し、特に委員長らしい仕事もしておりませんでしたので、ここはもう少し教会のために働きなさいとの神様からの思し召しと判断し、お受けすることといたしました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
22年度の教会テーマは、『手をとりあって』にいたしました。このタイトルを聞いて、音楽に精通していらっしゃる方ならピンとくるかと思いますが、これは個人的に敬愛している英国のロックバンド、クイーンの楽曲のタイトルでもあります。近年では彼らのことが映画化され、時代を超えて再びブームが到来しているようであり、一ファンとしては嬉しい限りです。
昨年掲げたテーマが『寄り添う』でしたので、寄り添った後はどうしますか? と考えた時に、今期は手を取りあっていっしょに歩んでいきましょうということに主眼を置き、このタイトルを選びました。ちなみにクイーンの『手をとりあって』の歌詞の続きはこのようになっております。『手を取りあってこのまま行こう、愛する人よ……静かな宵に光を灯し、愛しき教えを抱き』個人的な解釈なのですが、詩中の‘静かな宵’というのは静寂な夜という文字通りの意味のほか、人々の心の静けさを象徴するたとえのようにも感じられます。私たちの中にキリストが共にいてくださるとき、心には静けさが訪れ、やがては灯のような光に導かれ、信仰と共に愛する人と手をとりあっていっしょに歩んでいく…。
何とも理想的な展開なのですが、私たちはいつもごミサの中で、自分が十分に愛せない人のために祈ることの大切さも教えられています。コロナ禍が長期化し、寄り添い、そして手をとりあっていくことを必要とされている方を分け隔てなく、忘れることのない存在として関わっていくことができますように、今後とも皆様とごいっしょにお祈りしたいと思います。(行動し、共に‘活きる’ことができますように)
最後になりますが、ロシア侵攻によりウクライナの平和が侵害され、連日痛ましい報道を目の当たりにし、改めて平和であることの大切さを教えられます。日本政府はウクライナからの避難民を国内に受け入れる方針を固めておりますので、もしかすると平塚市も受け入れ先の選択枠に入るかもしれません。ウクライナは正教会が母体ですが、国民の何パーセントかはカトリック信者もいると聞いています。もし教会に彼らが来られたら、私たちはいったい何をして差し上げられるのか……。そのようなことも想いながら、一刻も早い戦争終結と、ウクライナの地に平和と人々の笑顔が戻ることを願ってやみません。
神が喜びとするものは何か? それは、神が創造した世界の中で、共に活き活きと生きている人間たちである。エイレナイオス(西暦130年頃~202年)神様のご加護がありますように……。
●新教会委員紹介
●教会委員会規約の改正
委員長より、教会委員会規約の改正の報告がありました。改正点は以下の11点です。
1.第2条(目的)の項に、「『カトリック新教会法典』を遵守し」という文言を加える。
2.第4条(委員の選出・任免)の項に、「主任司祭へ推薦、承認を得て就任する」という文言を加える。
3.第6条(委員長および副委員長の選出)の項で、教会委員が委員長を選出する部分に、「主任司祭の承認を得る」という文言を加える。また、委員長は必要に応じて副委員長を指名することができるという部分に、「主任司祭の承認のもと」という文言を加える。
4.第8条(委員の任期)の項を、第8条1項から3項に分割し、それぞれ以下のように定める。
5.第8条1項(委員任期) 委員長を除く教会委員の任期は、4月から翌々年の3月までの2年間とし、再選を妨げない。ただし、連続再選の場合は、2期4年を限度とする。
6.第8条2項(委員長任期) 委員長の任期は、教会委員の在任期間を除く4月から翌々年の3月までの2年間とし、再選を妨げない。ただし、連続再選の場合は、2期4年を限度とする。教会委員長就任の前後に教会委員を務める場合は、委員長在任期間を含めて最長8年を限度とし、委員長退任後は1年を限度とする。
7.第8条3項(再任) 委員長を含む教会委員は任期終了後2年の期間を経て再任することが出来る。
8.第11条(信徒集会)の項を、「委員会は、毎年1回、信徒集会を招集し、年度活動報告、年度決算および次年度活動計画、次年度予算計画を報告する。」と改める。
9.第12条(規約の改正)の項を、「本規約は、委員会の提案により、主任司祭の承認を経て、改訂することができる。」と改める。
10.付則1を「本規約は、2022年3月20日の信徒集会にて周知し、2022年度の委員会運営より適用する。」と改める。
11.新たに「付則2 主任司祭に意向ある場合は、この規約の限りではない。」という文言を加える。
●各部会による2022年度の活動目標
○宣教部会
宣教部会は、幅広い活動から成り立っています。教会の内にも外にも、広く福音を届けることを目指しています。
・教会学校、初聖体クラス
子どもたちは教会の宝物です。神様の愛に包まれていることを感じる心を育て、おたがいに思い合い感謝する心を、親子でいっしょに学んでいきます。
・分かち合いの会
分かち合いを通して、人と自分と、そして神さまと出会っていきます。「火曜会」は第1、第2、第3火曜日13:00~、「水曜会」は第1、第3水曜日10:00~、「土曜会」は第1、第3土曜日13:00~、聖書の分かち合いを行っています。
・いつくしみの会
弱い立場の方、いま苦しみの中にいる方のケア、共にいる共同体づくりに取り組んでいます。個人的ケア、心の通う共同体づくりとして、黙想会、ハイキング、教皇書簡の読書会などを行っていきます。
・レジオ・マリエ
毎週金曜日(第2を除く)のミサ後に祈りを捧げています。また、教会に来ることができない方を、神父様と訪れる活動も行っています。
・ショップ・ガリラヤの丘
ショップを訪ねる方にとって安らぎの場となり、初めての方にはキリスト教に関心を持つきっかけになれるように心がけます。また、どの年齢層の方にも、南米・フィリピンCの方にも利用していただけることを念頭に、品揃えを考えます。
・一粒会
会員の精神的ならびに物質的一粒を結集して、司祭の召命とその成聖に寄与することを目的としています。フィリピン・南米Cや子どもたちに向けて、一粒会への理解と参加の呼びかけを行っていきます。
・広報
すべての信徒と、教会に興味関心を持つ人々に向けて、福音宣教に関わる情報をわかりやすく伝えます。教会ホームページの更新、教会報の年3回の発行、イースターカード、クリスマスカードの作成、掲示板の管理などを行っています。
・リーダー養成および生涯教育
信徒リーダーの養成や共同体の生涯教育に力を入れます。教区研修会への参加や青年会の活動を支援していきます。
○典礼部会
①祈る力を育てる部門、②信仰を伝える力を育てる部門、③神の愛を証しする力を育てる部門。この3部門を常に意識して、開かれた典礼部を目指し、ミサが滞りなく行われるように準備します。フィリピン・南米コミュニティの子どもたち、そして大人も対象に、侍者の研修会を行います。聖書の分かち合い、自然の中の黙想会などを行います。今年は堅信式の準備にも取り組みます。
○管理・営繕部会
教会の建物・敷地が、祈りにふさわしい場になるよう、安全で快適な環境づくりを皆さんと共に行います。建物の維持管理に関しては、必要な修理、備品の調達、設備点検などを行います。外構に関しては、駐車場の管理、庭の手入れなどを行います。防災・防火管理に関しては、設備の点検、防災備品の整備、防災・防火訓練などを行います。今年は作業の見える化を図り、だれでも参加しやすい環境を整えます。
○行事部会
教会の様々な行事を通して、信徒間の親睦を図り、共感・分かち合いを深めていきます。楽しい行事で、思い出を共有できるように、参加者の増加を図ります。具体的には、毎月のお茶会、聖パトリックデー、復活祭のパーティー(イースターエッグ作り)、敬老会(案内状作成、記念品・お祝いカードの準備など)、クリスマス・パーティーなどを行っていきます。聖歌隊やC楽団の皆さんと協力し、アイデアを出し合い、楽しい場を作っていきます。
○福祉部会
「交わり」の精神で、信徒との出会い、交流、支えあいを目指します。また、「地域の人々を迎える」の視点から、どのような奉仕ができるか、意見交換と祈りを大切にします。「みつばの会」は、毎月第4日曜日のミサ後にパトリックホールで行います。ぬくもりのある自由な語らいの場に集い、情報交換、ミサに参加しての疑問、いまさら聞けないこと、神父様・シスターのお話、地域で活躍されている方の参加、新しくいらした方への声かけ、お誘いも大切にして、交わりを深める「場」を提供します。
○フィリピン・コミュニティ
コミュニティの一致のために、次のような行事を行います。5月、サンタクルーザン(聖母のお祭)。9月、チャリティーバザー。10月、聖マリア祭とビンゴ大会。12月、フィリピン・コミュニティのクリスマス・パーティー。
○南米コミュニティ
コミュニティ活動として、①教会への貢献、②他のコミュニティとの交わり、③スペイン語のミサの前のロザリオの祈り、に取り組んでいきます。1年の予定は、5月、母の日。6月、父の日。8月、家族祭。10月、ミラクル行列。12月、クリスマス・パーティー。2月、送金管理。
○財務部会
適正で正確な資金管理を行います。教会委員会での財務状況の共有を行います。単年度だけでなく中期的な資金見込みを精査します(隔年、中期で必要となる支出の整理)。財務人員の育成、人材づくりを促進します。小教区の公的活動と信徒活動の財務上の違いを理解いただき、各部・コミュニティ会計の勉強会を実施します。
平塚教会の2021年度決算と2022年度予算は、以下の通りです。(教区の会計年度は1月から12月。単位=円)
●2021年度委員会での主な審議・確認事項
お互いの立場に立ち「寄り添う」 コミュニティ・交わりのある教会
・コロナ禍への対応 緊急事態発令 非公開ミサ(10名)、各部会等の活動停止
緊急事態解除後 公開ミサ(最大80名から徐々に)
検温チェック実施、ミサのYouTube配信
・教会委員会のあり方検討 地区長の参加、青年会の参加など
・各コミュニティ・6地区の交わり 小教区内コミュニケーションを活発に
小教区を超えて共に歩む新しい形での6地区の集い
・情報会計管理 住所録の精査、個人情報・PC管理
予算の費目管理実施
・子どもたちと共に(教会学校) 子どもがのびのびできる環境作り
子どもたちの笑い声が絶えない教会
3つのコミュティで共にみんなで考えていく
子どもからの贈り物をもらう=与える
・青年会(中高生会) 典礼部をはじめとする各部会とのコミュニケーションを自主的に進められるよう支援
●2022年度の重点テーマ
「手をとりあって」 行きましょう 主の平和のうちに‥‥
わたしの神は、ご自身の栄光の富の中から、あなたがたのいっさいの必要を、キリスト・イエスにあってみたしてくださるであろう。(フィリピの信徒への手紙 4章19節)
●教会委員会と各活動の位置づけ
●2022年度の主な行事予定
●分かち合い
信徒集会の後半で、5名ずつ程度に分かれて分かち合いを行いました。分かち合いのテーマは、「交わりの教会を目指して、今後何が求められるか」。“交わりとしての教会”をめざして歩んできた横浜教区の20余年を振り返り、今後何が求められるかについて分かち合いました。分かち合いのポイントとしては、①諸教会の交わり(外国籍信徒との交わり、エキュメニズムの促進など)、②すべての信者の交わり(共同宣教司牧について、「地区共同宣教司牧委員会」と「三部門」について)などがあげられていました。
●テハン神父様のおはなし
信徒集会の最後に、テハン神父様からお話がありました。今年は11月末にミサの式次第が変更されるのと、12月はじめに平塚教会で合同堅信式が行われるという、ふたつの大きな出来事が予定されています。どちらも、共同体が成長するチャンスととらえて、前向きに取り組んでいけば大丈夫です、というお話でした。