
マルコ福音書は、イエスが逮捕された時、裸で逃げ出した一人の若者についても記しています(マルコ14,51)。その姿は謎めいている一方で、深い印象を残します。わたしたちも、イエスに従おうと努める中で、心構えが足りず、自分の確信が剥がれるのを感じる時があります。それは福音の道を捨ててしまいたくなるような、最も困難な瞬間です。なぜなら、そうした時、愛は続け難い旅のように見えるからです。その一方で、マルコ福音書の終わりに、イエスの復活を婦人たちに告げるのは、まさに一人の若者です。彼は裸ではなく、白い衣をまとっていました。これがわたしたちの信仰の希望です。神のゆるしは、わたしたちの罪やためらいに妨げられません。神は、再び従おうという思いをわたしたちに取り戻させ、他者のためにいのちを捧げる力を与えてくださいます。親愛なる兄弟姉妹の皆さん、わたしたちもまた、父なる神の良き計らいに自らを委ね、いただいた善に応えるように、自分の人生を生きることを学びましょう。人生を完全にコントロールする必要はありません。毎日、愛することを自由をもって選び、試練の闇にあっても、神の愛がわたしたちを支え、永遠のいのちの実を熟させてくださると知る、それだけで十分なのです。(抜粋)
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