主に応えること

岡野新司祭からのメッセージ

6月4日(土)、カトリック大磯教会にて、岡野充良助祭の司祭叙階式が行われました。お隣の大磯教会出身の司祭叙階式を、第6地区をあげてお祝いしました。司祭になりたてほやほやの岡野新司祭から、平塚教会の皆さんにメッセージをいただきました。

6.4 司祭叙階式

叙階式を終えて

岡野充良


平塚教会の皆さま、すでにご案内のことではありますが、6月4日の土曜日に叙階のお恵みを頂くことができました。叙階式に際して平塚教会をはじめ第六地区の各小教区の方々に様々なご尽力をいただきました。この場を借りて感謝を申し上げます。思い返してみれば、叙階式にかかわらず、助祭の時、すなわち神学院の最終学年の時には、司牧実習(アポストラートス)として第六地区の各小教区に派遣され、平塚教会にも何度もお世話になりました。出身は大磯教会ではありますが、司祭になるための必要な準備は、やはり第六地区の各教会での体験が大きかったのだと思います。


今は司祭としてはまだ生まれたばかりの赤ちゃんのようなものです。何をするにもまだまだたどたどしいところがあるのですが、これからも皆さまと一緒に信仰の道をあちこちほっつき歩きながら、分かち合いながら進むことができればうれしいなと思っています。よろしくお願い申し上げます。
叙階式を振り返りながら、6年間の自分の召命の歩みを思い返すと、ふと、私にとって「神学院」とは何だったのだろうか、という思いがよぎったので、これを少し述べさせてもらおうかと思いました。


叙階式の際に挨拶でも述べましたが、私にとって神学院の6年間の生活は、一言でいえば「とても楽しかった」ということになると思います。当然、神学院に入学する前までは生活や規律などの面で、自分でも大丈夫だろうかという不安感を強く感じていました。ところがいざ入学してみると、先輩方も年上、年下に関係なく優しく尊敬できる方が多く、後に入学してくる後輩たちにも恵まれ、とても人間関係に恵まれた6年間だったといえます。
こうした関係の中で、先輩・後輩たちと様々な話をし、お互いに助け合ったり、教えあったり、ふざけあったりする中で、それぞれが相手を尊重し、何かを相手から得ていく、互いに与え合う間柄を作ることができたのだと思います。神学院で得られたこうした関係は、たとえ別々の教区の司祭になったとしても続けていける関係なのだと思いますし、これからの司祭生活や司祭の務めを果たしていくときに、大きな支えとなるのだと思います。


人間関係に恵まれた、と今述べましたが、おそらく最近の召命の事情は、ひところの昔と比べても大きく変わってきているのではないかとも思われます。
神学院入学に際しての不安感のひとつとしては、自分の年齢の高さがありました。しかし、実際に入学してみると、私と同じ1970年生まれやその前後の方が多く、年齢ではむしろ平均値に近かったという実態があります。つまり、30代半ばから40代半ばくらいが最多層だったのです。
また、多くの神学生は、何らかの社会人経験を積んでいる方であり、それは様々な分野や職業形態にわたっていました。このように様々なその人の背景や事情のあるなかで、各人が交わりの中で自分の召命を深めていく、それは狭い神学院の生活という中にあっても、社会そのものの縮図でもあるのだということに気づかされる生活でもあったわけです。


こうした生活ですから、神学院生活すべてが、楽しかったというわけではありません。第二コリント12章第7節以下に「とげ」の話があります。思い返せば、私の6年間においても、「取り去ってください、これがなければもっと穏やかな神学院生活を送れるのに」と何度も祈る「とげ」は確かにありました。しかし、その「とげ」を見つめ続けざるを得ない生活を送ることによって、「司祭とは何か」ということをかえって念祷のうちに神様と深く対話することができたのかもしれません。
「とげ」は肉体だけでなく、自らの心の内に、あるいは他者との人間関係の中にも与えられるのです。
神学院生活の内にあって、召命を歩もうとする、神に近づこうとする心とは裏腹に直面する思いのままにならない現実を見つめ、味わい、そして神様に委ねることは、司祭として歩み続けるためにとても大切なことだと今は思います。これらの「気づき」は大きなお恵みであるのですが、そのお恵みを頂く場というものが神学院なのかもしれません。

Recent articles

2度目のチャンス

 平塚教会にラテンアメリカ(南米)・コミュニティができるまでのお話を、マリア・モリシゲさんとグラシエラさんからうかがいました。なお、この原稿ではコミュニティの方達の呼び方にならって、コミュニティの名前を「ラテンアメリカ・ …

今、この瞬間について、「はい」 と応えよう

南米コミュニティから教会委員会に出席されている、副委員長のフェルナンド・モリシゲさんと、教会委員のジオバニ・ロマンさんに、南米コミュニティの活動についてお話をうかがいました。 コロナ前のような活気を取りもどしたい ジオバ …

キリストは復活された

新教会委員紹介 4月からの新委員は以下の方々です 新部会長紹介 地区長紹介 新6地区委員紹介 ●各部会による2023年度の活動目標  <典礼部会> 司祭とともに共同体として祈りを捧げることができる力を育てます。 …

受 肉

●受堅者の声 合同堅信式の会場で、堅信を受けた方たちに聞きました。堅信の準備をしているとき、何を思いましたか? 堅信を受けて、どう感じていますか? 平塚教会 N.Aさん(小学6年)、M.Aさん(小学4年)「今日、堅信式を …