環境保護への転換

●新型コロナウイルスの医療の現場から

平塚教会の信徒である、看護師のA.Tさんに、医療現場からの切実な声をお聞きしました。画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-10.png

私は、横浜市戸塚区の130床の病院で、看護師として勤務しています。当院でも、新型コロナウイルスの感染者が来られることを想定して、テント3台と自動車2台を病院の裏の方に待機させています。外来の患者さんには、看護師は防護服に着替えて対応しており、転院してきた方が濃厚接触者だったこともありましたが、当院では幸いなことに、これまで感染者は出ていません。
神奈川県には、420床のコロナ用のベッドが用意されており、先週の会議ではそのうち220床が埋まっているとのことでした。はた目から見ると、まだ半分だから大丈夫じゃないかと思われるかもしれませんが、実際には神奈川県も、医療崩壊一歩手前の状況です。ベッドはあっても、働く人がいないのです。ICU(集中治療室)の患者1人に対して、5人の医療従事者が必要になります。そのメンバーをどこから連れてくるのか。ICUのメンバーには、それなりの経験が必要なので、新人にポンと任せるわけにはいかないのです。
コロナ以降、いちばん大きく環境が変わったのは、認知症の入院患者さんです。家族との面会ができなくなり、患者さんの中には捨てられたと思って不穏になる方がいます。ご家族も患者さんに会えないので不穏になります。患者さんの症状について、ご家族に電話で説明しても、会っていないので以前の状態を忘れてしまっています。会えないということが、こんなに大変なことだとは、これまで気づきませんでした。
患者さんの看取りも、思うようにできません。本来なら、ご家族の方に24時間いついらしてもいいですよとお伝えしていたのに、2人までにしてくださいとか、15分以内とか、とんでもないことをお願いしています。親の死に目に会えない人も増えてきています。
医療従事者として困ったことは、最初は物品がないことでした。手袋からガウンから、みんななくなって、マスクを洗って使ったりしていました。ただ、ありがたいことに、それはほぼ解消されました。いま困っているのは、職員のストレス度がピークに達していることです。病院の職員は、あちこちに行ったというだけで非難されるので、食べにも、飲みにも、遊びにも行けません。休みもあげたいのですが、普段からぎりぎりのメンバーでやっているので、なかなか思うように休ませてあげられません。
ストレス度がピークに達して、ICUの看護師が辞めはじめています。看護師たちは、患者さんの吸引もするし、体も拭くし、目を合わせて話もします。患者さんの肌に、いちばん触れるのが看護師なのです。防護服を着ているとトイレにも行けないので、6時間、なるべく水も飲まないようにして看護しているのです。おまけに、病院は赤字なので、ボーナスが半分になったりして、「もうやっていられない」となるのです。
いま、一般の方たちにお願いしたいのは、「おうちにいてね!」ということです。家庭内で感染するのは仕方ないとしても、無症状の感染者が次から次へと他の人にうつしているのが現状だからです。年末年始に、多人数の集まりに参加すると、どうしても楽しくなってしまいますから、参加をおひかえください。
平塚教会の皆さんには、年末年始、おうちにいて、闘っている医療従事者のためにお祈りしていただければありがたいです。

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