絶望の時代における希望

「公会議前の教会と今」

今年はIIヴァティカン公会議50周年です。自分の年齢から引算してみると、受洗したのは公会議より30年近く前の教会でしたが、若い方々に読んで頂く昔話のつもりで、話題を幾つか拾い出してみました。
当時、日曜のミサで聖体拝領するには、前夜(12時pm)から食事も水も取らないことになっていて、ミサ後に、通っていた教会の司祭館に寄ってクッキーを戴くのが子どもにとっては楽しみでした。
聖堂では司祭が祭壇に向って、参列者に背を向けてミサが捧げられていました。ミサで唱えられる言葉も歌もラテン語。聖体拝領時には、祭壇前の柵に跪いて、現在のように手のひらではなく、舌に直接パンを載せていただきました。
修道会の伝統的なハビットも、裳裾を牽いて優雅にさえ見えたものですが、社会の様々な場での必要にあわせて機能的なハビットに変わっています。
このように主要なことから細部に亘るまで、一信者にとってもカトリック教会は時代に沿って変化をして来たことが見えます。
でも、本当に大切なこと、つまり、神の愛は不変です。変わって来たのは人間が生きる社会の形であって、その中で、キリスト者として信者各々が宣教の使命を持って、「キリストに倣って」どう生きるかを問われているのでしょう。親しい友人でもある修道女に、「私は答えていますかと問いかけて祈ること」と教えられたことを今、思い起こします。


修道女の制服 before / after

ベールをかぶった修道女は、神々しく、かつ高貴な印象がありますが、実は、中世ヨーロッパの召使いの服装でした。貴族の令嬢も修道院に入ると「清貧」の証としてこれを着ました。神とともに生きる決意を、最も貧しい人の姿で表しています。
しかし、1960年代までこのスタイルでは、奇妙な感じを禁じえません。第二バチカン公会議以降、教皇が現代に合った服装に見直しを要請しました。

修道会によって制服のデザインが違いますが、どこの修道会も昔は、頭も首も布で覆い、その上からベールを被っていました。ロングスカートに、大きな珠のロザリオを腰にぶら下げ、歩くたびにロザリオの揺れる音がしていました。
変わったところでは、シャルトル聖パウロ修道女会の昔の制服です。帽子がかわいいですね。袖が長いのは手を見せてはならなかったのでしょうか。

現代ではベールを被っても髪や耳が見えるシスターもいます。ベールは「聖別奉献」と、神への「謙遜」のしるしですが、修道服を着用しない修道女も増えています。ロングスカートも見られなくなり、そのように簡素化した姿は、年配の信徒の間ではいささか不評ですが、幼稚園児にお化けと間違えられることがなくなったのは良かったのではないでしょうか。

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