聖母被昇天の祝日に寄せて

特集 震災復興を支え続けるために

3月11日の東日本大震災から約5ヵ月が経ちました。被災地は、新しい希望に向かって動き始める一方で、被災された皆さんの生活や心の傷は、簡単に元に戻ることはありません。私たちはこれから、キリスト者としていかに心を寄せていったらいいのか、カトリック教会や平塚教会の動きを中心に特集しました。

カトリック教会の被災状況と復興支援態勢

東日本大震災での、カトリック教会の被災状況はどうだったのでしょうか。震災直後の「カトリック新聞」の記事を中心にまとめてみました。

まず、仙台教区(青森県、岩手県、宮城県、福島県)の教会の被災状況ですが、大津波が押し寄せた沿岸部では、岩手県の釜石教会が1階部分に浸水しました。岩手県の久慈教会、宮古教会、宮城県の気仙沼教会も、建物に被害がありましたが、最小限にとどまりました。震災直後、聖堂が使用不能となったのは、宮城県の古川教会、福島県の須賀川教会と湯元教会です。福島第一原発の事故により、避難指示や屋内退避指示が出されている南相馬市には原町教会がありますが、大部分の信徒が避難して、4月時点で残っている信徒は4人だけでした。仙台市内の7教会は、教区本部事務局も含めて、大規模補修を要する被害はありませんでした。仙台教区内にある34の修道院からも、大規模な被害の報告は届いていません。
さいたま教区(埼玉県、栃木県、群馬県、茨城県)では、茨城県の水戸教会、鹿島教会などの建物に被害がありました。また、水戸市、三位一体の聖体宣教女会水戸修道院の被害がひどく、修道女らは隣接する幼稚園で生活しています。

地震・津波による信徒の犠牲者は、宮城県の塩釜教会で1人。他に、仙台教区内の幼稚園で園児3人が死亡、2人が行方不明になりました。また、地震の翌日、塩釜教会主任司祭のアンドレ・ラシャペル神父(ケベック外国宣教会)が、心臓発作のためお亡くなりになりました。

教会による被災地支援活動は、震災直後からスタートしました。以前からホームレスの支援を続けてきた仙台市の北仙台教会では、信徒たちが震災翌日から炊き出しを始めました。3月16日には、「仙台教区サポートセンター」が、18日には「さいたま教区サポートセンター」が設置されて、他教区からの支援も得ながら、今日まで活発な支援活動を続けています。募金活動もただちにスタートし、4月末時点でのカリタスジャパンへの募金総額は、約4億円にのぼりました。

東日本大震災の被災地と仙台教区の教会 / 仙台教区事務局長の報告をもとに作成しており、すべての教会、被災地を掲載しているわけではありません。 3月17日の「カトリック新聞」号外より

ボランティアと募金、募集中

仙台教区サポートセンターでは、現在もボランティアを募集しています。活動内容は、宮城県塩竃市、石巻市、南三陸町、そして岩手県釜石市、およびその周辺における、社協のボランティアセンターを通した個人宅やオフィスの泥かき、避難所でのお湯出し、仮設住宅への引っ越し手伝い、写真や位牌など記念の品の洗浄、子どもとの遊び、傾聴などとなっています。誰でも参加できますが、高校生の参加には保護者の同意書が必要となります。
ボランティア申し込みに際しては、希望期間の1週間前までに連絡すれば、ボランティア活動参加証明書を発行してもらえます。詳しい内容は、インターネットの 「カリタスジャパンブログ」の「ボランティア募集中」 で見ることができます。
また、募金も引き続き行われており、目的別に以下の口座が用意されています。

被災者救援募金は、郵便振替:00170-5-95979加入者名:カリタスジャパン。通信欄に「東北地方太平洋沖地震(または東日本大震災)」と明記してください。

仙台教区内の教会と教会関係の諸施設の復興と、被災した信徒およびその家族の支援のための募金は、郵便振替:02260-9-2305加入者名:カトリック仙台司教区本部事務局。通信欄に「東北関東大震災仙台教区支援」と明記。

直接地震の被害に遭われた方々へのお見舞いは、郵便振替:00160-0-50914加入者名:(宗教法人)カトリックさいたま教区。通信欄に「地震見舞金」と明記。

外国人被災者、避難者への緊急募金は、郵便振替:00150-5-120640加入者名:カトリック東京国際センター。通信欄に「外国人被災者のため」と明記。

震災被災者に対する緊急の医療・医薬品援助のためには、「日本カトリック医師会」銀行名:三菱東京UFJ銀行支店名:小金井支店(223)普通預金口座番号:0078981口座名:日本カトリック医師会東日本大震災救援基金代表:石島武一(ニホンカトリックイシカイヒガシニッポンダイシンサイキュウエンキキンダイヒョウイシジマブイチ)

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